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インド初のオーガニックの学校

Navdanyaオーガニックトレーニング

このトレーニングセンターはリシケシュなどの観光地に近いことからたくさんのボランティアが世界中から訪れ、オーガニックについて学んでいる。
私は2週間この農業研修センターに滞在し、インド古来から伝わる土壌保全技術や病害虫コントロール、薬草加工、アユールヴェーダ料理などを学んだ。




Navdanyaでトレーニングを受け持つチャンドラ・バット氏は、以前は医者であったが農業に目覚めたために人生が変わったという。「給料は医者時代の半分以下になった。でも、それ以上のものをもらっている。私は今すごく幸せだ。生まれ変わってもきっと同じ道を選ぶだろう。」。同じくNavdanyaで働く以前は建築士であった同僚から彼は建築を学び、古民家の修復技術を習得した。今はダム建設反対運動のため、灌漑土木について学び独自でドキュメンタリー映画を製作している。医者から農業、そして建築、土木とまるでバラバラの人生を歩んでいるように見えるが、ここにいるとすべてはつながっているのだと実感する。


自然を活かすテクノロジー

「技術には、自然を活かすテクノロジーと、自然の摂理を逆行させるテクノロジーがある。近代のテクノロジーには後者が多い。原子力は自然のものではない。」と、オーガニック農業普及員。
自然は全てがつながっていて互いに補い合っている。自然回復機能を持っている。しかし、近代の技術は一つがだめになると代用が効かない。修正が効かないものの上に成り立っている。

都市に住む者はガスがなくなれば料理ができないが、薪があればしのげる。キャベツのみを生産していると根腐れセンチュウで畑は全滅してしまうかもしれないが、複数の野菜が植わっていればどれかは生き残るだろう。西洋医学は病気になってから治療するが、高価な薬を買わなくてもその辺に生えている薬草で予防できる。今日もボランティアたちは、現代人が忘れてしまった自然を活かす技術を学んでいる。




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インドの農薬、化学肥料工場訪問

今回は、オーガニックでなく、慣行農法を推進する農薬・肥料企業を訪問してきました。

 

★化学肥料会社のロビー活動★

インドの農業補助金のひとつには、肥料や農薬への補助がある。これがかなり大規模なもので、多くは農家へ直接還元されず、肥料・農薬製造業者へと渡っている。肥料・農薬製造業者のロビー活動は相当なもので、政治家も無視できないのだ。

 そんなところにどうやって訪問することになったかというと・・・

今私がかかわっている、EUが出資する有機農業プロジェクトの前任者が、何と州2位の肥料製造業者の御曹司。
彼自身は今、オランダのコンサルで働いていてインドにはいないが、今回の視察を手配してくれたのだ。

  

★化学肥料会社訪問★

バス停には、運転手とマネージャーが待っていた。
ここで待つようにと案内された場所は、熱帯植物と100本のココナツが植わった庭園。

社長がアーユルヴェーダの治療を行うために使っている保養所なのだという。
この2ヶ月半で、インドの底辺と頂点を見た気がした・・・

 社長が保有している3つの農場のうち、2つを案内してくれた。
ヨーロッパへの輸出向けのぶどう農園には14人の労働者が働いていた。

誘引剤をかぶった労働者のシャツはピンクに染まっていた。
CIMG7181.JPG

「薄い量だから人に害はない」というものの、あまり薬をかぶりたくないものだ。

 

「有機農業を勉強している君たちには悪いが、インドで100%有機農業は不可能だ」
と、社長。

 

あの・・・、息子もオーガニック専攻してるんじゃ・・・
と聞きたかったけど、聞かないことにした。

 

 

★ビジネスチャンスとしてのオーガニック★

この企業は農家へのコンサルティングも行っている。
どの肥料を使えばどう変わるか、農場でデモンストレーションを行うのだ。

 

社長によると、

「いままで薬を使っていた農家は簡単には習慣を変えられない。農薬や化学肥料の代わりに、生物農薬やオーガニック肥料を購入するにはより高くつく。

しかし、ニームオイルや薬草の需要は少しづつ増えつつある。」と。

100%オーガニックは無理だが、農薬の量を減らし、薬草のエキスを入れる農家が増えてきているという。

ここで売られている高価な有機農薬や有機肥料を買えるのは大地主くらいだろう。
外部からの投入に頼りきっている近代農家は、地元の資源を利用して自分でオーガニック肥料や薬を作るという発想がない。

有機農業への転換は、「有機資材を入れる」ことだと思い込んでいる。ここにビジネスチャンスがあるのだ。


インドのオーガニックの方向性には大きく2つあり、ひとつはこの企業のように、付加価値をつけて高い値段でヨーロッパ市場への輸出を目指す、ブランド戦略としての有機農業、それから、肥料を買うための借金に苦しむ農家が、地元の資源を使い、農薬・化学肥料からの脱却を目指す、Subsistence戦略としての有機農業。と、個人的に認識している。

 

しかし、小規模農家が共同で有機認証を取得するシステム、ICS(内部管理制度)を使えば、認証費用が分割でき、モニタリングも参加者自身でおこなうことができる。

以前紹介したマイソールの例のように、Subsistence Farmer(自給農家)が共同で認証を受け、輸出を行うことで両方の目的を達成できるかもしれない。

 

オーガニックを勉強する化学肥料会社の御曹司は、今はコンサルタントとしてオランダで働いているが、やがて家督を継ぐという。

彼はインドの有機農業をどの方向にもっていくのだろうか?

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マイソール有機農業見学(5)農家1500人のプロジェクト

 マイソール滞在最終日。

ついにNGOスタッフに会うことができた。
最初にインドのオーガニック事情、NGOの取り組みについてプレゼンを受ける。

そして、一日のプログラムが決まった。

1.オーガニック農業組合(SKS)の訪問
2.組合メンバーのオーガニック農家を訪問
3.オーガニック農家1500人が出資する株式会社を訪問


プログラムディレクターと組合理事が視察に同行してくれることになった。


どうも日程調整に入れ違いがあったものの、インドで評判のNGOでプロジェクトはかなりしっかりしておりどの取り組みも興味深かった。


▲ IMOの認証を受けた黒糖


 
▲農家自身が採取した種の見本


特に、農家1500人が株主となったオーガニック専門の会社は画期的だ。
このプロジェクト、予算3,000万ルピー(約6,000万円)は現在ファンドが拠出しているが3年間限定。3年後には独立採算にもっていかないといけない。
船が進めば農家の利益になるが、沈むときは1500人はもろともだ。
まさに、イナバ物置の農家版である。

社長、役員はすべて農家。
1500人の船の難しい舵取りは誰の責任でもない、社長を選出した農家全員の責任なのだ。


詳しい内容は株式会社ウェブサイトで。
Kabini Organic Producers Company Ltd.
http://www.kabiniorganic.org

 
▲バーミコンポスト(みみずコンポスト)


▲農家がオーガニックコットンの等級わけしているところ
AグレードからCグレードに分けて出荷する。


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参加型環境影響評価

以前のワークショップは有機農家を対象とした調査だった。
今回は、ごく普通のインドの村を訪問。
ほとんどが慣行農家。

▼ワークショップの様子
 


ワークショップのポイントは、(1)農家が何を重視しているのか、(2)有機農業に対する農家の考え。

具体的には3つのSustainability (Ecological, Economical, Social)を8つの基準で評価してもらった。

エコ1.土
エコ2.水
エコ3.生物多様性
経済1.収入
経済2.自給率
経済3.財政
社会1.社会的ネットワーク
社会2.格差


すると、この前の参加型評価との違いがはっきり現れたのだった。

以前の農家は、有機農家、そして今回の農家は慣行農家。

そして、3つの村はそれぞれ土の質、灌漑の状態、育てている作物が異なる。
そのもっている資源によっても違いがはっきりあらわれておもしろかった。

灌漑のととのっている村では、自給率はあまり重要視されていない。
そして、灌漑のない村では水が上位にあがる。
これらの認識が、有機農業に対する評価にも影響しているのだ。


2006年と2009年に調査した8つの指標のデータ分析と、農家による評価を比較して論文を書くつもりだ。
実際のデータと農家の主観、そしてもっている資源との関連性を考察し、有機農業が地域で成功する要因は何なのか、どういうサポートを必要としているのかを中心に書きたい。

▼やぎ
 
▼伝統的な間作農業(とうもろこしとオイルシード)
 


 

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ココナツとアグロフォレストリー

ココナツの役割
南国の風物詩ココナツは水の豊富な海岸部に多く、食生活に大きな影響を与えている。
カレーやスープ、おやつにと、いろんな料理に利用される。
最近ではココナツ油も人気。ココナツが南国の味覚文化を形成してきたのだ。

そして、ココナツの殻はゴムの収集に使われ、繊維はロープを作るのに重宝される。
幹は建材や燃料として利用される。
葉っぱはゾウの大好物だ。

多様な役割を担うココナツ。
廃棄物はなくゼロエミッションである。

ココナツは多機能性があるだけではなく、他の作物との相性が良い。

まず、根。
ココナツの根は幹近くに密集し、他の植物との競合が起こりにくい。
そして、光。
ココナツの木は光を良く通すため、他の植物への光が妨げられることは少ない。

きゃつさば、さつまいも、ヤム芋など、日陰でよく育つ作物との相性が特によく、
しょうが、ターメリック、クローブ、シナモンなどの香辛料もよく間作に使われている。
インドでは、水田の真ん中にココナツの木が植わっているのが面白い。


1haのココナツと、1haのカカオよりも、ココナツとカカオを混ぜたシステムのほうが収量が共に高いといわれている。
お互いの生理的補完効果によるものだ。
CPCRIの実験によると、ココナツに飼料を間作することで1haあたり4頭の乳牛が養え、収益は50%上がったという。


なぜ木を植えると作物の収量があがるのか?

木の枝うちを年2回することによって、窒素270kg/ha分の栄養が土に返り、作物が必要とする栄養素の90%がまかなえることになる。
しかし、木と作物の間隔をどれだけとるか、燃料としてどのくらい木を伐採するか、など管理の仕方によって収益が損なわれることもある。


何を間作に使うかは、市況、気候、土壌、農家の技術、好みなどによるが、他にもインドでは、とうもろこし、豆類、タロイモ、パイナップル、マンゴー、綿花、アルカナッツなどが間作されている。

アグロフォレストリーの土地所有システム
アグロフォレストリーで面白いのは、土地の持ち主、木の持ち主、作物の持ち主がそれぞれ違うことだ。
そして、さらに家畜が加わることも多い。
生態系が複雑になるだけでなく、tenure systemも複雑だ。

このパイナップル農家は、期限付きでゴム園を借りている。
ゴムが育てばパイナップルは育たなくなる。
今はまだゴムがとれない。いわば、お金が入るまでの保険としてパイナップル農家に土地を貸しているのだ。

▼ゴム+パイナップル+養鶏
CIMG5876.JPG

このた旅で、今まで木にあまり興味がなかったけど、「気に」なってきたのでした。


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【募集】インド有機農業視察

インドの有機農業見学会を予定しています。
場所はマイソール付近の有機農業組合。

日程は未定です。(2010年9月・10月あたりの2~3日間)
興味のある方連絡ください。

※観光ではありません。勉強会です。
※対象は、インドの農業事情に興味のある方、英語か現地語(カンナダ・タミル・テルグ)がある程度理解できる方。会話は英語になります。

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竹の花

竹の花を見たことがあるでしょうか。
もしあるとすればそれは貴重な体験。

竹のライフサイクルは50年~60年と長い。
花が咲いた年にはまるこごと竹林が枯れるという。
竹は半世紀に一度生まれ変わるのだ。

この話は、京都の竹工芸家から聞き、とても興味を持っていた。
花が咲いたあと、枯れた竹には珍しいシミ模様ができ、「シュミ竹」と呼ばれている。
この珍しい竹は高値で取引されるのだという。


ケララ州の伝承によると、竹の花が咲くと飢饉がやってくるといわれている。
竹の花は、洪水を呼ぶ不吉なサインなのだ。

バンガロールのエコ研究所には竹に関する本がたくさん並んでいる。
竹は建設材や家具、工芸品として使われる重要な産業であり、そして、インド人も竹の子食べるんですね。

Instutute of wood science and technologyの実験施設を見学させてもらった。
ここでは接木に関する研究も盛んに行われている。
日本では竹なんてわざわざ増やさなくても・・・って感じがするのだけど、いろんな種類の竹があって面白い。




いま開設準備中の研究所の木材ミュージアムには、木の見分け方が解説されている。

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依存関係にあるケララとタミル

ケララではだいたい月給2万ルピーほどだが、タミルでは1~4千ルピーくらいだという。
隣り合う州でこれほどの格差がみられるのはなぜか。

ひとつはケララは気候に恵まれているということ。
雨の豊富なケララは水に困らない。水は貴重な財産だ。

そしてもうひとつは州の政策の違い。
インド初の共産党州。インフラ整備、教育に力を入れており、識字率はほぼ100%。
人間開発指数は北欧と引けをとらないのだとか。

街を歩いていても、ぐったりした野良犬はいない。
物乞いも見当たらない。
人も犬も元気だ。

高学歴社会のケララでは、農業に興味を持つ人は少なく、ホワイトカラーの仕事が好まれる。


昔あった田畑は、収益がより高く、労力をかけずとも育つティークやゴムのプランテーションに置き換えられた。
そして、毎日必要な米はタミルからの輸入に頼っている。

乾燥地帯のタミルは灌漑用水をケララに依存している。
イギリス植民地時代、ケララの水をタミルが利用しその代わり米を提供する契約を締結。

資本集約産業の中心はケララ、そして労力のかかる仕事はタミルからの出稼ぎ労働者が請け負うのだ。
同じ国内で分業が起こっている。生産優位の法則が隣り合う州でこうもはっきりみられるのは面白い。

ブローカーの派遣会社はタミルの労働者を商品として扱う。
出稼ぎ労働者は組織力が弱く、地元の労働者よりも扱いやすいため好まれる。

夫は土木工事、妻と子はレンガ工場など、家族で出稼ぎする例も見られる。
たいがいブローカーは家族をバラバラに連れて行く。
連絡の取れない家族。逃げたくても逃げられない状況。
女性は雇い主からのセクハラにさらされているのだという。


「ここは昔、棚田だったの。今はゴムとティークになってしまっているけど。私は元の状態に戻したい。」
とダニア。


資源豊かなケララでは生物の多様性に対する価値の意識が薄い。
しかし、もしタミルが米を提供できなくなったら・・・?
ゴムの価格破壊が起こったら・・?
彼女は研究者として、食の安全を保障する多様化をバンガロールから故郷のケララに提起しているのだった。
 

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インドのオーガニック事情

緑の革命以前のインドでは有機農業が中心だった。
緑の革命は大幅な増産を可能とする一方、肥料、農薬などの外部投入コストも増加し、農家の収益を圧迫している。

2000年、インド政府は、地域資源や伝統知識を活かし低投入を中心とする有機農業の推進を開始した。
National Agricultural Policy(NAP)において有機農業と伝統農法の復興を呼びかけている。
National Programme for Organic Production(NPOP)では、有機認証制度について定められ、250万haの農地が有機農家として認定をうけている(2005年)。

具体的なインドのオーガニック政策は州レベルで進んでいる。


州別オーガニック農産物の年間輸出量

kerala 1,232 t
West Bengal 937 t
Punjab 541t
Himachal Pradesh 521 t
Karnataka 476 t
Tamil Nadu 471 t

私がいるカルナータカ州は2004年、インドで初めてオーガニック政策を制定した。

Karnataka State Policy on Organic Framing (KSPoOF)
  • 1cow for 2 acres plan: 家畜の所有を推進
  • テクニカルアドバイス: コンポスト、IPM、土壌保全型農業など
  • マーケティング
  • バイオガス、クリーンエネルギー

私の修士論文の課題は、この政策の評価。
2006年から2009年の間で、オーガニックに転換した農家と、慣行農法を続けている農家で、土壌の質、水質、収入、コミュニティの連帯、労働などにどのような違いが見られるのか。

そして2015年に向けた政策改善シナリオを作成し、農家、NGO、研究者を中心とする参加型ワークショップで提案。各ステークホルダーがシナリオの評価を行う予定です。

州政府オーガニック政策(英語版)のPDF持ってるのでほしい人いたら送ります。


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参加型育種・種苗所有権


インドGDPの30%を農業部門が占め、雇用者の60%が農業に従事している。
収入の少ない農家にとって種苗の入手は重要な課題である。
商業的な品種改良は、土着の品種を減少させただけでなく、収量の高い品種は病害虫に弱く、農薬への依存を招いた。

貿易に関する知的所有権Trade Related Intellectual Property Rights(TRIPs)の枠組みがWTOで合意され、発展途上国においても作物品種の保全が求められるようになった。
Union for the Protection of New Varieties of Plants(UPOV)が1961年にパリに設立され、新しい種苗の開発に所有権が認められることとなった。
これにより、所有権のある種を農家同士で交換することは禁じられた。商業的な開発がメインで行われている

先進国と異なり、農民が育種を行っている途上国に適用するに当たって議論があった。
UPOVの動きに対し、途上国においては農業者の権利を守るための種苗保有権確立の活動が見られる。
これは、収入の低い農家の保護、コミュニティにおける伝統的農業の保全につながっている。
いくつかの途上国では、National Plant Breeders' Right(PBR)が制定され、コミュニティー間で品種の共有を行うシステムが推進されている。

北インドの約80%の農家は前年に取れた種を使うと答えている。
Uttaranchal州では半数以上の農家が種をコミュニティ内で交換している。
種を購入しない理由としては、コストが高い、品質への信用が低い、現地の条件に合わない、などがあげられている。
新種に関する情報源としては、農家>政府>NGO>種苗会社の順になっているのが面白い。

農業の近代化が作物の遺伝子の侵食genetic erosionを招く一方で、伝統的なコミュニティにおいては農家の知識が生物の多様性を維持してきた。
まさに科学知識が科学者から科学者へと受け継がれたのにたいし、伝統知識は農家から農家に受け継がれていたのだ。
参加型育種 Participatory Plant Breeding (PPB)は経済的価値だけでなく、社会的、文化的価値に焦点をあて、先進知識と伝統的農法知識を生かした種苗開発の取りくみが途上国を中心に行われている。 
農家、科学者、NGOなど新たなパートナーシップによる、品質が高く、農家の需要に合った種苗の低価格での提供が模索されている。

参考サイト:
IDRC http://www.idrc.ca/seeds
FAO  http://wwwfao.org/ag/cgrfa/pgr.htm
Erosion Techonology and Concentration (ETC) heep://www.etcgroup.org
Convention on Biological Diversity http://www.biodiv.org
CCAP(China) http://www.ccap.org.cn
LI-BNIRD(Nepal) http://libird.org

Vernooy R., (2003), Seeds that give participatory plant bleeding, International Development Research Center, Canada


 

プロフィール

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「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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