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フリースランドで乳搾り体験

フリースランドのオーガニック農場に行ってきました。

もはや、雪が降り積もりマイナスの世界に・・・




乳搾りというと、手でやるイメージでしたが、実際農家さんは牛の乳に搾乳機をとりつけるだけでした。
牛は、もうなれているのか、ちゃんと前の牛の乳絞りが終わるまで列に並んで待っています。





でも、やっぱり手で絞りたいというと、体験させてくれました。
乳腺炎にかかっている牛は搾乳機を使うことができないんですね。
とてたての牛乳。バクテリアがいるので直接は飲まないほうがいいのだそうです。




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マッシュルーム観察会

ワーゲニンゲンのすぐ近くには国立公園が広がっている。
森までは自転車ですぐ。




Plant Science Groupでマッシュルーム研究者による観察会が開かれたので参加してきた。
虫眼鏡と鏡持参できのこを探す。
おもしろいのを見つけたら先生が解説してくれる。




きのこにも年輪があり、何歳かわかるのだそうです。
ほかにも、卵のような胞子を爆発させて子孫をふやすきのこなんかもあり、おもしろかったです。




きのこといえば、ブータン人のクラスメートが今度帰ってくるとき松茸を買ってきてくれる約束をしている。
早く帰ってこないかなぁ。松茸。どう料理しよう♪

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ドイツの育種企業訪問

ドイツのオーガニックブリダー"solana"を訪問してきました。

1905年に設立したじゃがいも専門の育種企業。
年間60種類、30万株を育種している。

ブリーディングの難しいところは、開発までに10年かかること。
交配成功確率は50万~60万分の1。気の遠くなる作業です。
開発費は1種の品種開発に100万ユーロ。ライフサイクルは、3~4年から30年。


solanaは設立以来じゃがいもオンリーでやってきているのがすごい。

ブリーディングの様子を見せてもらいました。

じゃがいもの種をとるために、煉瓦の上に種イモを置く。
こうすることで花がたくさんつくのだとか。
ちょっとかわいそう・・・vV
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▼じゃがいもの種
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オランダ、ドイツ、ポーランド、ウクライナ、ロシアなど東欧にも支部があり、インターンシップも募集しているようなので、育種に興味のある方は問い合わせしてみてください。

http://www.solana.de

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デンマークの有機農業

デンマークで有機農業を研究するコペンハーゲン大学、オーフス大学とその付属研究機関を訪問しました。


デンマークの有機農業
デンマークの有機農業運動は1970年代に始まり、1987年農業省がorganic food councilを設立。
オーガニック普及率はEUtop5。

現在、野菜の10%、鶏卵の17%、牛乳9%、総農地の6%がオーガニックで、2020年には15%を目標にしている。(EUの目標値10%)
デンマーク政府が主動するプラン、Green Growthには1,600万ユーロ(20億円)の予算がついている(2009年度)。

CIMG0578.JPG














ICROFS(International Centre for Research in Organic Food Systems)CIMG0614.JPG

2008年に農業省大臣が設立した国の機関。
ここでは、何と120名もの研究者がオーガニックに関する研究をしている。

デンマークの大学付属研究機関、消費者グループ、農協、国家審議会なども研究にかかわっており、IFOAM, UC davis(USA), Agro Ecology Institute(china), IFAD(tanzania), FiBL(swissland)などの国際機関もボードメンバーとして参与している。

オーガニック白書がHPでダウンロードできる。
http://www.icrofs.org/



CORE organic ERA-NET
2007年に設立されたEU11カ国が参加するオーガニックプロジェクト。
現在、CORE organic Ⅱが2010年3月に発動、27のファンドから資金提供を受け、参加国は22カ国に拡大している。


デンマークの研究機関
デンマークのPhD(博士課程)の月給はオランダよりも高く、3,000ユーロ~5,000ユーロくらいだという。
日本では逆に授業料を払わないといけないことを考えると破格の待遇だ。
その分税金が高いので生活費がかかるけれど、デンマークの博士課程はおすすめ。

リサーチプロジェクトの概要に興味がある方は概要ペーパー送ります。メールください。


 

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慣行農法が悪いわけではない

今回は、オーガニックではなく、慣行農法(conventional)の農場を見学してきました。

オーナーは、オーガニックを信じていないという。それはなぜか。
有機農業の限界と可能性についてインタビューしました。


オーガニックを否定する理由
  • 1人でやっているので、労働時間が限られている。
  • 雑草コントロールが大変。
  • オーガニック資材が高い
  • デンマークからたくさんの有機農産物が流入し、価格破壊が起こっている。プレミアムプライスが今後維持できるとは思わない。
  • オランダではオーガニックのマーケットが発達していない。有機農家は輸出に頼っている。

農家さんの回答に対し、有機農業を学ぶ多くの生徒が反論。
  • 多角化を図り、収入源を確保すればいい。
  • クオータ制の廃止より価格破壊が起こっているからこそ、高品質を売りにしたオーガニックブランドを確立すべき。
  • マメ科植物をローテーションに加えれば外部からの投入がいらないのではないか。
  • 労働者を雇えばいい。
  • 将来子供が生まれても、農薬と化学肥料を続けるのか?

と、言いたい放題。

ここまで聞くと、この農家さんは農薬や化学肥料を信じ、オーガニックを否定する慣行農家だと思われるかもしれない。
しかし、彼なりのポリシーがあって厳密な有機ではないけれど環境と動物の福祉の保護を実践しているのだ。


「ヨーロッパでは、食糧生産が過剰になっている。どうして生産をつづけないといけないのか。私は疑問に思っている。疑問に思いながら、牧場を継いだ。」
と、オーナー。

彼は、生産量の高いホルスタインではなく、オランダの古い在来種に変え、抗生物質の投与を止めた。
ミルクの生産量は減った。
しかし、手のかかるホルスタインと違い、在来種はおとなしく、扱いやすい。抵抗力も高く、薬があまりいらない。

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▲人懐こいオランダ在来種の牛たち


「収入よりも生活の質を大事にしたいと思ったんだ。家族が一番大切だから。」

彼は、スローライフを目指しているという。


抗生物質を減らし、一部では無農薬も取り入れている。
生産量よりも動物と家族の健康を考えている。
プレミアム商品の輸出よりも、地産地消を考えている。

彼は、オーガニックのスピリットを実践しているのだ。
ただ、オーガニックという言葉が嫌いなのだ。


確かに有機だからいいというわけではない。
市場を求めて輸出に頼ればエネルギーを余分に使うことになる。
慣行農法でも環境や動物の福祉に配慮している農家さんも多い。

オーガニックへの転換を奨める前に、農家さんがプライオリティを置く目的、土地や資源など現実の制約条件をまず把握することが重要なのではないだろうか。


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オランダ最大の土壌修復プロジェクト

アムステルダムの近くで、オランダ最大の土壌修復プロジェクトが実施されていると聞いて行ってきました。

volgermeer polderは105haにわたる土壌修復エリア。

1960~70年代は、ごみの埋め立て地として使われていたという。
すぐ近くには農地や住宅街があり、ダイオキシンやベンゼンの流出の不安が拡大し、抗議行動がおこった。
 

そして、ピートと呼ばれる泥炭は、昔から燃料として利用されており、泥炭の掘り出しの増加が土壌劣化を招いていた。


この2つの問題を解決するために2001年に立ち上がったのが、土壌修復プロジェクト「ACV(Advising Combination Volgermeer)」だ。

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形が琵琶湖に似てると思いませんか?

natural cap

このプロジェクトの特徴は、有機物や自然のレイヤーを有害物質の遮断に使うというところだ。

使用する素材は、ピート(泥炭)

ピートは、長い年月をかけて植物などの遺骸や有機物が堆積してできたもので、有害物質のbufferになるのだという。
泥炭が土壌改良資材として用いられることはあったが、環境汚染へのバリアーとして、人工的にピートレイヤー(natural cap)が作り出されるのは新しいアイデアだ。

もうひとつの特徴は、ランドスケープの管理を同時に行うということ。

「単なる土壌修復プロジェクトでなく、この地をみんなが憩える自然の風景にしたい」
そう語るマネージャー。

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汚染が進んでいたごみの埋め立て地は、生物の住まう湿地帯の散歩道に生まれ変わりそうです。

このプロジェクトは、オランダだけでなく、東欧、アジアでも実施されているそうです。
インターンシップの受け入れもされているようなので、興味があれば連絡してみてください。

ACVのホームページ
www.naturalcap.eu
プロジェクトを請け負っているコンサルタント会社
www.witteveenbos.com


オランダの育種農家(ホビーブリーダー)

日本では品種改良は主に民間の種苗会社や公的機関が担っていますが、オランダにはユニークな制度があります。

その名も、ホビーブリーダー(趣味の育種家)

このシステムは、研究機関、民間の種苗会社、農家が連携し、品種開発をやっていこうというもの。

研究者は知識を持っているが、農民は知恵をもっている。

いくらすばらしい開発しても、使われなければ意味がありません。
現場に一番近い農業者が、ファーマーブリーダーとして開発のプロセスにかかわることによって、需要に合った品質を開発するという、農民参加型の育種ネットワークが注目されています。

育種家になるには、専門のトレーニングコースを受講しなければならず、選抜にはかなりの時間がかかりますが、
種苗登録された場合は、ロイヤルティの50%が農家の収入となります。


日本でも山間部にたくさんある耕作放棄地でこのシステムを導入すれば、「ひと山当てたい」農家さんが集まるかもしれませんね。


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オーガニックを超えるもの

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REMEKER

gelderland valleyの牧場に行ってきました。

ヨーロッパに来て、10箇所以上の有機農場を見学してきましたが、こちらの牧場は何か違う。
とてもすがすがしく、明るいのです。

牛小屋には、屋根があるのみで、壁がない。
床は深さ90cmの藁で敷き詰められ、歩くとふかふかする。

「牛に必要なのは、雨が防げる屋根だけ。できるだけ自然の状態で育てたかったので壁をとりはらったの。」

と、オーナー。

風通しがよく、明るい。

牛のストレス軽減につながっているようだ。
1994年にオーガニックに転換して以来、一度も抗生物質を使ったことがないのに、病気になる牛はいないのだそう。

オランダでは数少ない有機畜産家にとっても、これは不思議なことで、たくさんの見学者がやってくるという。
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" more than organic, and natural farming"
(オーガニックを超える自然農法)


有機農業であっても、必要な場合には抗生物質の使用が認められている。
農薬を使用している農場から藁や飼料を購入してもよいことになってる。

一定のルールを満たせばそれで有機(オーガニック)として売り出せるため、「オーガニック」は品質を保証するものではなく、抗生物質をたくさん使っても、一切使わなくても、オーガニックはオーガニックなのだ。

だから、オーガニックを超える自然農法を目指しているのだという。

できるかぎり自然の状態で手を加えない農法。
考え方が日本の自然農法に似ている気がした。

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EUでは過剰生産をふせぐため、クオータ制により生産量が限定されている。牛乳を販売するには、生産枠を購入しないといけない。
このため、付加価値をつけないと、牛乳の生産だけでは生活が成り立たず副収入をもとめて加工品を生産する農家が多い。

こちらの農場でも、チーズを製造しているが、オーガニックで生産するには添加物が使えない分、品質管理方法の習得には時間を要するのだという。

チーズコンテストで入賞したことがあるというチーズを味見させてもらいました。
保存料の代わりなのか、ちょっと塩辛かったけど、濃厚でおいしかったです。


remeker ホームページ
http://www.remeker.nl/nl/index.html

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土壌診断演習

特別な機械を使わずに、目で見て土壌の質を診断するという演習を行いました。

1.表面の土を20立方センチメートル掘る。
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2.バケツに3回土を落として細かくする。
3.土の塊を大きさ順に並べる。
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4.フィールドガイドブックを参考に評価表に点数を書き込む。
  • 斑点
  • 土の色
  • 団粒構造
  • 虫の数
  • 空隙率
  • 断層

畑のグループと、牧草地のグループに分かれて診断を行ったのですが、畑の方は、明らかに土が悪くなっており、ミミズの数も少なかったです。
お手軽に診断できるので、お庭の土を観察してみてください。

▽土壌診断ガイドブック
http://www.potato.org.uk/media_files/campaigns_kt/vsa.pdf

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オーガニックツアー

以前、オーガニックビレッジHemmenについて記事を書きましたが、またまたオーガニックツアーでHemmenにいってきました。 

▼「有機農家と酪農家の提携について」
http://agroecology.blog.shinobi.jp/Entry/63/


集まったのは有機農業に興味を持つ、ワーゲニンゲン周辺在住者20人。
有機農家3軒と、オーガニックショップを見学しました。

小さな教会を中心とする小さな集落。
土地の所有者は財団であり、有機農業を行うことを条件に土地を貸し出しています。
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有機農業のメリットは、環境や健康にやさしいだけでなく、人と人とのつながりが生まれることだと思います。

有機農法は機会に頼らない代わりに、各地域で助け合いのネットワークが形成されています。
自然の節理に沿った農法は経済効率が悪い一方、不利な点をカバーするために、農家・加工業者・卸売店等とのフードチェーンネットワークという形で、地域の中で自然資源や経済資源が循環する仕組みが生まれるのです。


Hemmenはそんな地域のひとつ。

wageningenからフェリーにのり、ライン川を渡るとそこは、藁ぶき屋根の集落が残るのどかな牧草地帯。
オランダを代表する田舎です。

ランドスケープという言葉は、オランダ語が語源だそうですが、オランダ人は、ランドスケープをとても大切にしています。

景観を守るために、21世紀になった今でも川に橋をかけず、船で川を渡っているのです。
そして、遥か地平線へと続く牧草地帯には、勝手に木を植えることはできないのだと言う。
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横道にそれましたが、

こちらでとれたオーガニック小麦、大麦は、この間紹介したワーゲニンゲンにある風車に運ばれます。

▼「風車のお店」
 http://agroecology.blog.shinobi.jp/Entry/39/


そして、Renkumという村で加工され、Hemmenにあるオーガニックショップで販売されているのです。

「僕は、いつもここの店でパンを買っているんだよ。自分で作った小麦を買ってるんだ。」
と、小麦農家のアンドレが笑いながら話してくれました。

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「マーケットガーデン」と呼ばれる契約栽培の有機農園を経営するDe STROOMは、ワーゲニンゲン市内の有機農家と共同で、週3回宅配サービスを行っています。

「ワーゲニンゲンの土壌は砂地、へマンは粘土質。とれる野菜や期間が違うから、足りない分をお互いに補いあえてちょうどいいのよ。」
と、オーナー。

ニッチマーケットならではの戦略ではないでしょうか。
オーガニックには多様な形があって面白いです。

オーガニック食品の宅配サービスは、ナイメーヘン、アーネムあたりまでは、2.2ユーロで宅配してもらえます。
▼ホームページ(オランダ語)
http://www.streekexpresse.nl/

 

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プロフィール

ブログ移動しました

「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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