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オランダのケアファーム(福祉農園)

オランダでは、障がい者やお年寄りのためのリハビリとして、園芸療法が古くから取り入れられてきました。

現在、オーガニックファームを中心として、ケアファーム(福祉農園)をはじめる小規模農園が増えています。(2006年時点で500超、8000人が利用しています。)

ケアファームのタイプ
ケアファームは、ボランティアで障がい者、お年寄り(クライアントと呼ばれる)を受け入れているところもありますが、多くの場合有償です。
60%のケアファームは団体と契約しており、クライアントを受け入れることで団体から収入を得ています。

  • AWBZ (Dutch national insurance against risks not covered by personal health insurance)
  • PGB (individually assigned budget enabling person to 'buy' care, help and supervision)
20%の農場はAWBZと契約、60%はPGBと契約しています。
一人当たりのクライアントにつき、得られる収入平均は、
 AWBZ:50ユーロ/日
 PGB:77ユーロ/日
(出典:J. Hassinkl et al. Current status and potential of care farms in the Netherlands)


ケアファームとして認定されるには条件があり、補助を受けるためのペーパーワークが増えるので嫌がる農家さんも多いようですが、かなりの収入です。

環境保全活動のための人手確保として、障がい者の雇用として、福祉の向上として、ケアファームが注目されています。そして農家にとっても、収入向上につながっています。

日本でも、福祉の現場で園芸療法を取り入れる例が増えていますが、オランダでは、個々の農家が、地域の福祉、環境政策にかかわっているのです。

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どちらの肉を食べたいですか?

それでもまだ病気でボロボロになった肉を食べたいですか?

※心臓の悪い人はみないでください。



有機農業では、抗生物質の使用は緊急時のみ認められていますが、病気になってから対処するのではなく、病気にならないようにストレスを減らし、予防を行うことが基本です。

オーガニックのチキンでも最終的にコンベアーで運ばれて首を切られるのは同じじゃないかと思われるかもしれませんが、広い庭を駆け回る様子は幸せそうです。

オーガニック野菜に比べると、オーガニックチキンの比率は低いのだそうです。
ヨーロッパのある調査によると、オーガニックを購入するのはベジタリアンである確率が高いようです。
なので、オーガニックチキンは売れず、あまり広がらないのだとか。

そういえば、有機JASを貼った鶏肉・・・見たことないかも。


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もっとこどもにオーガニックを!

CORE ORGANIC

オーガニック食品の需要は堅調に伸びているものの、シェアは10%以下とニッチ産業にすぎません。
他産業に比べると、マーケティングや研究は十分に行われていませんでした。
CORE ORGANIC(coordination of European Transnational Research in Organic Food and Farming)は有機農業に関する研究の向上を図る目的で、EU11カ国で情報共有や共同研究を行っています。

【パートナー】

  • オーストリア federal ministry of agriculture, forestry, environment and water management
  • デンマーク Danish Research Center for organic farming/Danish directorate for food, fisheries and agribsinesss
  • フィンランド Ministy of agriculture and forestry
  • フランス Ministry of agriculture
  • ドイツ Federal ministry of consumer protection food and agriculture
  • イタリア Ministry of agriculture and forestry
  • ノルウェー The research council of norway
  • スウェーデン Swedish research council for environment, agricultural science and spatian plannnig
  • スイス Swess federal office for agriculture
  • オランダ Ministry of agriculture, nature and food quality
  • イギリス Department for environment, food and rural affairs

▼COREホームページ
http://www.coreorganic.org/index.html
 

もっとこどもにオーガニックを!
iPOPY(Innovative Public Organic food Procurement for Youth)

COREでは、より多くのこどもが安全なオーガニック食品を食べることができるようにさまざまなキャンペーンが行われています。

オーガニック運動は草の根レベルで始まり、消費者のボトムアップ的な運動が広げられる中、政府も感心を持ち始めました。
地方自治体のトップダウン的なオーガニック政策が徐々に広がり始めています。


POP(public organic procurement)
COREのメンバーは政府関係機関が多く、政府が率先してオーガニック商品の購入を行おうという試みが行われています。
日本においても、グリーン調達や中小企業に対する官公需の目標値を定めていますが、それのオーガニックバージョンです。

オーガニック市場が10%(日本では1%以下)以下にすぎないのに対し、ケータリングサービスのうち政府調達が占める割合は7%だといわれています(イギリスの場合)。
かなりの金額ではないでしょうか。


【例】

  • イタリア: 学校給食への地元のオーガニック食品導入に対して自治体が補助。
  • フィンランド: 無料でオーガニック給食を提供。
  • ノルウェー: 食料調達量の多い防衛省が2012年までに食料の15%をオーガニックにするという目標を設定。
  • イギリス : 2010年までに公共機関の50%が契約書でオーガニックを指定する。


日本の政府の対策はスローガンレベルでしかなく、もう少しオーガニックに関心をもってもらいたいものです。

▼iPOPYホームページ
http://ipopy.coreportal.org/


 

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参加型有機認証制度

小規模の有機農家にとって負担になるのが有機認証にかかるコスト。
日本では有機JASだけでいいですが、ヨーロッパでは販売先にあわせて複数の認証を取得する場合もあり、1年に何度も検査を受けることになります。

オランダの場合、「Skal」の「EKO」マークを取得するには年間700ユーロの検査費用がかかります。
日本は検査機関によって異なりますが、約10万~15万。オランダと同じくらいですね。

オランダでは5年前から小規模農家には検査費用の減額措置がとられており、スペインやアメリカの一部の州では政府が検査費用を負担しているところもあります。


IFOAMでは、国の認証制度に代わる、グループ認証制度の適用を進めています。
  • Internal Control System (ICS) 内部コントロールシステム:
小規模農家のグループ内で内部検査を行い、品質を保証するというもの。定期的な第三者認証も必要ですが、グループで行うのでコスト削減が図れるとともに、有機農家同士の連携が高まる効果もある。
  • Participatory Guarantee System(PGS) 参加型保証制度
地域の生産者、消費者、小売業者など多くのステークホルダーが参加することによって透明性を高め、連携を図るというもの。
ICSと異なる点は、有機農業の認証規定に基づく第三者認証を行うのではなく、地域のみんなで確認しあうことでお互いの信頼関係を築いているところです。(アメリカやEUでは第三者認証も取り入れています。)



参考:アイフォームHP
http://www.ifoam.org/


実施されているのは、主に認証費用が払えない途上国の農家グループですが、アメリカやニュージーランドなど、先進国でも実施例があるようです。
(ただし、第三者認証を行わない限り、「オーガニック」と表示できない)

日本の「提携」も一種の参加型保証制度に入るのではないでしょうか。


これらの制度と有機認証制度との同等性、整合性を図り、「オーガニック」という言葉の使用を柔軟に認めること、そして、人材育成を含め内部検査を行える体制を整えることで、途上国だけでなく先進国においても小規模農家の有機認証取得を促すことが必要なのではないかと思います。

国家有機認証制度ができる前に行われていた、消費者と生産者の「提携」運動の原点に戻って考え直す時なのではないでしょうか。

(※「提携」は英語でもTEIKEIと訳されており、地域で農業を支える「CSA community supported agriculture」に影響を与えたといわれています。)



スウェーデンの団体がとてもいいレポートを提供しています。
The Swedish Society for Nature Conservation (SSNC)
http://www.naturskyddsforeningen.se/upload/PGS%20Study.pdf

ホワイトハウスのヴィクトリーガーデン

第2次世界大戦時、兵糧の確保のため、国家安全保障政策として"victory garden"の開拓が奨励されていました。
初のファーストレディとなったエレノア・ルーズベルト氏はホワイトハウスに"victiory garden"を設置しました。

"victory garden"政策は大成功で、2千万の"victory garden"がアメリカで消費されていた野菜の40%を生産するに至ったそうです。
第2次世界大戦が終わり、食糧難は解決されるとみなされ、やがて"victory garden"は廃れていきました。


時は移り今日では、都市緑化のツールとして、持続可能なコミュニティ政策として、また食育の場として家庭菜園がブームとなっています。



ファーストレディーとなったミッシェル・オバマ氏がホワイトハウスに家庭菜園"White House Kitchen Garden" を設置し話題となりました。

しかし、これは"Victory Garden" ではなく、"Kitchen Garden" 。
誰かに勝つための庭、ではなく、みんなで食卓を分かち合えるようにKitchen Gardenが増えるといいですね。

Yes, We Can! 

●White House Kitchen Garden(動画)
http://video.aol.com/video-detail/white-house-kitchen-garden/176649690


さらに、オバマさんの発表によると、ホワイトハウスでファーマーズマーケットを開催するのだそうです。

●OBAMA FOODOBAMA
http://obamafoodorama.blogspot.com/


日本でも首相官邸でオーガニックガーデン作ってもう少し有機農業をPRしてくれないかしら・・・。

オランダのオーガニック事情1

●オランダ有機農業の歴史
 
オランダには、バイオダイナミック農業とエコロジカル農業の2つのタイプの有機農業があります。
先日の記事で触れたバイオダイナミック農業が、思想や哲学的な背景から誕生したのに対し、エコロジカル農業は、環境保護活動を中心とした社会運動を背景に誕生しました。


1926年ジーランドに初めてのバイオダイナミック農場ができて以来、1972年には72の農場が有機農業に取り組み、80年代後半にはその数は359件に上っています。
 
90年代には、有機農業への認識が広まり、1992年に有機農業組織全体を統括する組織「プラットフォーム・バイオロジカ」が誕生しました。
2010年までに有機農業の比率を10%にすることを目標に掲げています。

ドイツのオーガニック事情3

●オーガニック認証制度について

ドイツには、ビオランドやデメター、ナチュアランドなど、オーガニック団体がたくさんあり、各組織が独自でオーガニックの認証を行っています。

バイオダイナミック農法により生産されたものには、Demeterのマークがついていて、ドイツでは質の高く信頼のおけるものとして認識されています。


ビオランド
8719d70f.jpeg

デメター
8719d70f.jpeg

ナチュアランド
 8719d70f.jpeg

この前の記事で書いたBioマークの方は、国が認証するもので、各団体が別々に認証するオーガニックマークを統一するものとして、2001年にできたものです。

ae81ab87.GIF

どのロゴもおしゃれです。

ちなみに日本の有機JASマーク。
・・・控え目です。(色の規定はないので、ショッキングピンクやオレンジにしてもいいですが、緑が多いようです。)

そして、「BIO」や「ナチュア」がオーガニックをあらわす単語なのに比べ、JASというネーミングからはオーガニックだと想像しにくいと思います。
yuuki.jpg








ドイツのオーガニック事情2

●バイオダイナミック農法

バイオダイナミック農法は幼児教育で有名なシュタイナーが提唱した、エコロジカルな農法で、ヨーロッパにおける有機農業の起源といわれています。

ドイツ語ではbiologisch-dynamisch(生命の力学)と書きます。
資源を地域の中で循環させること。生態系の力を借りて植物があるがままに育つということ。
そんな意味がこめられているのです。

近代農学では菌を殺すために農薬をまく。植物の成長を促進するために化学肥料を使う。
しかし、オーガニック農法では、本来自然がもつ力を活かして、自然の循環を図る。

「栄養は作物に与えるのではなく、土に施す」
という言葉にあるように、自然の力を蘇らせることで作物が育つと考えられています。


とても興味深いのは、バイオダイナミックでは、星座や太陽、月、天体のエネルギーが地上の生命に影響をおよぼしていると考えられており、宇宙のリズムに合わせて種まきや水やり、収穫を行うのです。

哲学的なものに感じられますが、潮の干満や四季の移ろいも天体の影響を受けています。
実際、ドイツではいろいろな研究機関が天体と生命について研究しており、天体の動きが植物の生長にも影響を与えているという科学的な調査結果もあるようです。

毎朝、ミーティングのときには、この日の宇宙の状態をあらわした天体カレンダーをつかって、どんな日なのかを確認します。
CIMG1252.JPG

「今日がどんな日なのか、感じられることが大切」
「ファーマーとは、生き方なのだ」

と、ある労働者が言っていました。
オーガニックとは、自然や環境に配慮した「暮らし」そのものなのではないでしょうか。


奇跡のリンゴ

りんごは有機栽培がすごく難しく、青森の木村さんのリンゴは
「奇跡のリンゴ」と言われていますが、

なんかその辺にりんごが成ってます・・・
biohofの農場なので、農薬や化学肥料は一切使っていないはずです。

日本のりんごが品種改良されすぎて、害虫に弱すぎるのでしょうか??

気になったので調べてみました。


有機農業が比較的盛んなヨーロッパにおいても、フルーツの生産においてはオーガニック比率1%以下。
そして、収量は慣行農法に比べ、15%~30%落ちるといわれています。

●品種
Braeburn, Fuji, Royal Gala, Pacific Roseといった品種は病害虫に弱く、オーガニック農法には適さない

●気候
特に、湿度の高い地域においては、病害虫コントロールが難しい

マーケットデマンド
オーガニック市場は10%以下、フルーツのオーガニック需要はさらに低く、オーガニックに転換するメリットが低い。

●摘果
摘果剤をつかわないと収穫が大変

出典:Present status of organic fruit gowing in Europe (FiBL)


今後、日本でもオーガニックフルーツの需要が高まれば、もっと研究や品種改良も進み、生産が伸びてくるかもしれませんね。

ドイツのオーガニック事情

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●BIO(ビオ)

ドイツ語ではオーガニックをBIOといいます。
demeterやbiolandなど有機農業の認証組織がそれぞれオーガニックマークを発行していたのだけど、2001年に統一され、「BIOマーク」が誕生しました。

野菜、ハム、はちみつ、ジャムなどの食品ばかりでなく、歯磨き粉や洗剤にもBIOマークが貼られたものがあります。
ドイツ人の90%がBIO製品を購入したことがあるという。
日本では、有機JASという似たような認証制度がありますが、はたして何%でしょうか。

プロフィール

ブログ移動しました

「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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