アグロエコロジー
オランダの大学院で有機農業を勉強する留学生の日記
ヒマラヤのオーガニックビジネス
ブー人御一行はバスで丸一日かけ、ガンジス川の源流に位置する村、Raniketへ向かう。ヒマラヤの麓のこの村では標高差がかなりあるため、取れる野菜も異なる。村同士で野菜の交換を行い、ほぼ自給できている。そこで、PGS(Participatory Gurantee System)という、グループでオーガニック認証を保障しあうという手法を学んだ。
Ranikhetの生活向上支援を行う地元のNGO、"Grassroots"は、森林保全、エネルギーの自活、マイクロクレジット、コミュニティビジネスなどの活動を行っている。
オーガニックのグループ認証を行うにあたっては、しっかりと組織されたグループがキーとなる。オーガニック認証会社などの第三者による認証が広く受け入れられているやり方であるが、視察などの手数料は小規模農家にとってはかなりの負担となる。グループ認証では、グループ内のメンバーが自発的にお互いの農業を監視することで、オーガニックであることを保障するため、認証にかかる手数料が発生しない。
年一度の視察では、消費者やPGS協会などのメンバーが化学肥料や農薬が使われていないかチェックする。PGSにおいては、第三者認証を受けない代わりに、農家、消費者、NGO、コミュニティ全体でオーガニックを認め合うのだ。
以前の記事で書いたがインドでは、SHG(self help group)という女性のグループを作る運動が盛んで、共同預金や、グループ間でのお金の貸し借り、コミュニティビジネスのための共同投資などが行われている。この地区のオーガニック認証においてもSHGを基本としてグループ認証を受けていた。この地区にある52のSHGのうち、48はすでにオーガニック認証を取得している。かなり有機農業比率が高い。
16のSHGの代表から組織されるVillage Development Council (村落開発協会)の代表理事によると、最初はオーガニックに転換することをためらう農家が多く、一年目は十分な収量が得られなかったという。しかし、2年目には、ほぼ慣行農法の頃に近い収量を得ることができ、3年めにはオーガニックマーケティングを行う会社との契約により全国に出荷できることになった。
Grassrootsは、「Umang」というブランドのコミュニティビジネス会社を立ち上げた。
「私たちは、彼らがもともと持っている知識に自身を与えただけ」と、NGOスタッフは言う。
ほとんどの家庭が持っているバイオガス発電設備やダムの改修、パッケージング機械を購入する費用のほとんどは、農家自身が負担している。政府の補助金を代わりに申請することはしても、NGOとして資金の支援はしていないという。
「女性は、男性に比べてお金の管理がうまく、ビジネスセンスが高い。」
なぜ、女性だけのグループで男性は参加しないのか尋ねると、村の男性はお金があるとすぐにギャンブルやお酒に使ってしまうのだとか。
思い当たるふしがあるのか、ブータン人の男性たちはだまっていた・・・。
ちなみに、オーガニックのグループ認証は、インドなどの途上国ばかりでなく、アメリカ、ニュージーランドなどの先進国でも用いられている。日本でグループ認証を行っているところはあるのだろうか?PGSで検索しても日本語ではあまりでてこなかった。ともかく一部であったとしてもあまり盛んではないようだ。ブータンではこれから導入を予定しているそうだ。
日本人には有機認証取得にかかる費用はそれほど大きな負担ではないのだろうか。それとも制度そのものがまだ整っていないのだろうか?帰国したら調べてみたい。
(写真:ホームステイ先で)
Ranikhetの生活向上支援を行う地元のNGO、"Grassroots"は、森林保全、エネルギーの自活、マイクロクレジット、コミュニティビジネスなどの活動を行っている。
オーガニックのグループ認証を行うにあたっては、しっかりと組織されたグループがキーとなる。オーガニック認証会社などの第三者による認証が広く受け入れられているやり方であるが、視察などの手数料は小規模農家にとってはかなりの負担となる。グループ認証では、グループ内のメンバーが自発的にお互いの農業を監視することで、オーガニックであることを保障するため、認証にかかる手数料が発生しない。
年一度の視察では、消費者やPGS協会などのメンバーが化学肥料や農薬が使われていないかチェックする。PGSにおいては、第三者認証を受けない代わりに、農家、消費者、NGO、コミュニティ全体でオーガニックを認め合うのだ。
以前の記事で書いたがインドでは、SHG(self help group)という女性のグループを作る運動が盛んで、共同預金や、グループ間でのお金の貸し借り、コミュニティビジネスのための共同投資などが行われている。この地区のオーガニック認証においてもSHGを基本としてグループ認証を受けていた。この地区にある52のSHGのうち、48はすでにオーガニック認証を取得している。かなり有機農業比率が高い。
16のSHGの代表から組織されるVillage Development Council (村落開発協会)の代表理事によると、最初はオーガニックに転換することをためらう農家が多く、一年目は十分な収量が得られなかったという。しかし、2年目には、ほぼ慣行農法の頃に近い収量を得ることができ、3年めにはオーガニックマーケティングを行う会社との契約により全国に出荷できることになった。
Grassrootsは、「Umang」というブランドのコミュニティビジネス会社を立ち上げた。
「私たちは、彼らがもともと持っている知識に自身を与えただけ」と、NGOスタッフは言う。
ほとんどの家庭が持っているバイオガス発電設備やダムの改修、パッケージング機械を購入する費用のほとんどは、農家自身が負担している。政府の補助金を代わりに申請することはしても、NGOとして資金の支援はしていないという。
「女性は、男性に比べてお金の管理がうまく、ビジネスセンスが高い。」
なぜ、女性だけのグループで男性は参加しないのか尋ねると、村の男性はお金があるとすぐにギャンブルやお酒に使ってしまうのだとか。
思い当たるふしがあるのか、ブータン人の男性たちはだまっていた・・・。
ちなみに、オーガニックのグループ認証は、インドなどの途上国ばかりでなく、アメリカ、ニュージーランドなどの先進国でも用いられている。日本でグループ認証を行っているところはあるのだろうか?PGSで検索しても日本語ではあまりでてこなかった。ともかく一部であったとしてもあまり盛んではないようだ。ブータンではこれから導入を予定しているそうだ。
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プロフィール
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「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/
たねのもりびと
ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture
ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事
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