忍者ブログ

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

コモンズの自然資源管理

もし、使いたいだけ水が使えたら、山の木を好きに刈ってもいいなら、水は枯渇して山は禿山になってしまいます。
資源をコントロールする規制がなければ、「フリーライダー」が生まれ、コモンズの悲劇が起きてしまう。

お互いの情報がない状況では、他人がどれだけ規制を守っているのかわからない。個人は目先のことしか考えなくなってしまう。

・・・という「囚人のジレンマ」で語られることが多いコモンズの自然資源管理ですが、エリノア・オストロム氏は、公的コントロールがなくても、必ずしも「囚人のジレンマ」が起こるわけではなく、同じ投資をしても、失敗する例と成功する例があるのは、別の理由があるのだと主張されています。

コモン・プール資源「common-pool resource(CPR)」とは?

resource system:資源のストック (例)川、地下水、山
resource unit:資源のフロー (例)魚、水、木材
appropriator:resource unitを利用する人、集団

CPRの管理における2つの問題。
appropreation problem(利用するほう)
個人は資源の分配やフローに関心があり、利用するresource unitは、①ルール・規制、②タイミング、③資源の場所、③資源を利用する技術、④監視、によって決定される。
利用できる資源やリスクには差があるので、個人は投資をためらう。

provision problem(供給するほう)
フローよりもストックに関心があり、どれだけ資源の維持・管理にお金をかけるかが決定される。
appropriation problemがなくならなければ、provision problemは解決しない。



同じ費用をかけても、同じ規制を敷いたとしても、得られる効果に違いがあるのはどうしてなのでしょうか。

囚人のジレンマでは、お互いの情報が見えない中で意思決定が行われるので、個人の利益が追求されるとされています。

しかし、実際は、個人が選択を行うときは、その場しのぎだったり、集団にあわせてみたり、いろいろなわけです。

①operational choice(その場しのぎの選択)
②collective-choice(集合的選択)
どのようにCPRを管理するかを決めるもの。①に影響を与える。
③constitutional choice(立憲的選択)
②に影響を与える規範

オストロム氏によると、個人や組織はこの3つのレベルの選択をいったりきたりしているので、一つのレベルからの分析では不十分だということです。

また、ルールには、法律などのような公式のものだけではなく、その地域で暗黙の了解となっているworking ruleも考慮にいれなければなりません。

集合行為の問題(collective action problem)の解決には、①管理をおこなう組織の構築、②住民の参加、③モニタリングが必要であると語られています。

続きは、こちらで。

Elinor Ostrom. 1990. govening the commons. Cambridge University Press
PR

この記事にコメントする

お名前
タイトル
メール
URL
コメント
絵文字
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
パスワード

この記事へのトラックバック

この記事にトラックバックする

プロフィール

ブログ移動しました

「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

■ご挨拶
ご挨拶


■連絡先
メールフォーム


当サイトはリンクフリーです。

agro_ecologyをフォローしましょう

アクセス解析

カウンター

リンク