アグロエコロジー
オランダの大学院で有機農業を勉強する留学生の日記
オーガニック・グリーンハウス
ロッテルダムの近くにあるオーガニックのグリーンハウスを見学してきました。
10年前にオーガニックに転換したというフランク。
スペイン産の安いトマトと差別化するために、wild wonderというプロジェクトを始め、7haの温室には、
7種類の胡椒と20種類のトマトを栽培されています。
■病害虫管理
オーガニックで大変なのは病害虫管理。一度病気が広まってしまえば、農薬を使うことができないので被害が大きくなり、ひどい時には作物の50%がだめになってしまうそう。
フランクは、月に1回の土壌診断に加え、年に1度、生物多様性診断を行っています。
どれだけの有用微生物がどのくらいいるかを見て、バランスを図っているのです。
トマトの主な害虫であるセンチュウは、胡椒にはあまりつかない。
区画をトマトと胡椒に分け、ローテーションを行いながらセンチュウが増えないように調整。
このプロセスで、有機に変えてから2年目には8000/m2いたセンチュウが、次の年には1,000/m2に減ったのだとか。
センチュウの数を数えてるところがすごいです・・・。
▲wild wonder
■収穫
トマトの熟れ具合は種類によって違うので、収穫のタイミング管理が大事。
中には収穫後に破裂しやすい種類は、とくに輸出向けだと熟すけっこう前に収穫。
やっぱり地元産が一番ですね!
(ちなみに写真の黄色いのは、品種の違いで、すでに熟している)
■流通
しかし、驚きなのは、この温室で作られているトマトと胡椒の約10%が国内流通向けで残りはアメリカ、カナダ、フランス、ドイツに輸出されるのだという。
グリーンハウスの盛んなオランダでは競争率が激しく、プレミア価格がつきにくいのだとか。
ここの温室は「ヨスタ」というオーガニック専門のマーケティング会社と契約し、販売戦略をたてています。
これまでは、ヨスタは国内市場にあまり興味がなく、商品の半分をアメリカに輸出されていましたが、最近では、国内や近隣諸国にシフトする方向に変わってきているそうです。
有機野菜の輸出価格は、トマトは慣行農法の50%増、胡椒は70%増(1.7倍)になるそうです。
フランクが有機農業を始めたころは、商品の80%がオーガニック専門店で、スーパーに卸すのは20%程度でしたが、今や、80%がスーパー、20%が有機専門店にわたっています。
スーパーの意識がオーガニックに向いてきているようです。
■ホームページ
http://www.natureandmore.com/growers/frank-de-koning
10年前にオーガニックに転換したというフランク。
スペイン産の安いトマトと差別化するために、wild wonderというプロジェクトを始め、7haの温室には、
7種類の胡椒と20種類のトマトを栽培されています。
■病害虫管理
オーガニックで大変なのは病害虫管理。一度病気が広まってしまえば、農薬を使うことができないので被害が大きくなり、ひどい時には作物の50%がだめになってしまうそう。
フランクは、月に1回の土壌診断に加え、年に1度、生物多様性診断を行っています。
どれだけの有用微生物がどのくらいいるかを見て、バランスを図っているのです。
トマトの主な害虫であるセンチュウは、胡椒にはあまりつかない。
区画をトマトと胡椒に分け、ローテーションを行いながらセンチュウが増えないように調整。
このプロセスで、有機に変えてから2年目には8000/m2いたセンチュウが、次の年には1,000/m2に減ったのだとか。
センチュウの数を数えてるところがすごいです・・・。
▲wild wonder
■収穫
トマトの熟れ具合は種類によって違うので、収穫のタイミング管理が大事。
中には収穫後に破裂しやすい種類は、とくに輸出向けだと熟すけっこう前に収穫。
やっぱり地元産が一番ですね!
(ちなみに写真の黄色いのは、品種の違いで、すでに熟している)
■流通
しかし、驚きなのは、この温室で作られているトマトと胡椒の約10%が国内流通向けで残りはアメリカ、カナダ、フランス、ドイツに輸出されるのだという。
グリーンハウスの盛んなオランダでは競争率が激しく、プレミア価格がつきにくいのだとか。
ここの温室は「ヨスタ」というオーガニック専門のマーケティング会社と契約し、販売戦略をたてています。
これまでは、ヨスタは国内市場にあまり興味がなく、商品の半分をアメリカに輸出されていましたが、最近では、国内や近隣諸国にシフトする方向に変わってきているそうです。
有機野菜の輸出価格は、トマトは慣行農法の50%増、胡椒は70%増(1.7倍)になるそうです。
フランクが有機農業を始めたころは、商品の80%がオーガニック専門店で、スーパーに卸すのは20%程度でしたが、今や、80%がスーパー、20%が有機専門店にわたっています。
スーパーの意識がオーガニックに向いてきているようです。
■ホームページ
http://www.natureandmore.com/growers/frank-de-koning
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へ~っ
7haの温室ってことは、雪が積もらない場所なのかな?
売上とか利益率とか気になるなあ。
売上とか利益率とか気になるなあ。
- furu
- 2010/03/26(Fri)13:04:12
- 編集
温室の経費
7haのグリーンハウス建設に、100万ユーロかかったらしい。ってことは、一億・・・。
元とれてるのかしら・・・??
オランダは基本あまり雪積もんないですが、日本みたいなビニールハウスじゃなくて、ガラス張りなんです。巨大なショーケースみたいな感じ。
アメリカに輸出する時のオーガニックの基準がうるさくて、ガラス2重張りにしてないといけないみたい・。。。
元とれてるのかしら・・・??
オランダは基本あまり雪積もんないですが、日本みたいなビニールハウスじゃなくて、ガラス張りなんです。巨大なショーケースみたいな感じ。
アメリカに輸出する時のオーガニックの基準がうるさくて、ガラス2重張りにしてないといけないみたい・。。。
- みけ
- 2010/03/30(Tue)03:03:57
- 編集
無題
こんにちわ。
7haで1億円くらいですか。オランダのハウスは安いですね~。韓国がオランダ式で建てているのが解るような気がします。
こちらは積雪があるので、なかなか軒高4メーターの連棟ハウスが建てられないので、そちらの数倍の資金が必要です。が、まぁ、なんとか黒字経営出来ています。
オランダのスペイン産トマトの話は、日本における韓国産農産物の話に似ていますね。天敵利用で、日本でも差別化できると良いのですが。。。
7haで1億円くらいですか。オランダのハウスは安いですね~。韓国がオランダ式で建てているのが解るような気がします。
こちらは積雪があるので、なかなか軒高4メーターの連棟ハウスが建てられないので、そちらの数倍の資金が必要です。が、まぁ、なんとか黒字経営出来ています。
オランダのスペイン産トマトの話は、日本における韓国産農産物の話に似ていますね。天敵利用で、日本でも差別化できると良いのですが。。。
- たーやん
- 2010/04/03(Sat)17:05:40
- 編集
ビニールハウス
お金かかるもんなんですね。それでも年中採れるからメリットが大きいのかしら。
もしかしたら、1棟あたり100万ユーロだったのかも??
胡椒と育苗用の方がもう1棟あるって言ってたので。。
彼は親がグリーンハウスやってたみたいですが、一からやるのは勇気がいりますね。
もしかしたら、1棟あたり100万ユーロだったのかも??
胡椒と育苗用の方がもう1棟あるって言ってたので。。
彼は親がグリーンハウスやってたみたいですが、一からやるのは勇気がいりますね。
- みけ
- 2010/04/04(Sun)04:52:42
- 編集
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プロフィール
ブログ移動しました
「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/
たねのもりびと
ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture
ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事
■ご挨拶
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■連絡先
メールフォーム
当サイトはリンクフリーです。
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