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ブータンでの初仕事

ブータンでの生活も2カ月がたとうとしている。私の始めの1カ月半はadministration的な仕事が中心だった。

設立されて間もないSamdrup Jonkhar Initiative (SJI)は、ブータンでは画期的なローカルNGOだ。
民主主義が導入されたばかりのブータンでは、選挙に行きたくない、すべて上に任せる、といった人任せな人が多い。
SJIは、草の根レベルでスタートした初めての市民運動なのだ。

SJIで働いている、というと、みんな評判を聞き、私も何かしたい、と言ってくれる人がたくさんいる。車の手配やガイドを無償でしてくれたり。
が、ブータンでのキーワードは「バイパス」。
すべては正式なルートを通じて行わなければならない。
例えば車の手配を直接頼むことはできず、まずルートを提出し、許可をもらい、責任者から協力者に書面をもって正式に依頼する、というめんどくさい手続きを踏まなければならないのだ。


日本で役所勤めの経験があるので、だいたいのことは理解できるのだけど、これにはちょっと驚いた。
のんびりした田舎のイメージのブータンは日本以上の官僚社会なのだった。
おかげで最初の1カ月半、このペーパー処理に奔走させられた。


3週間がたったころ、あるニュースが飛び込む。

「選挙が1カ月延期された」

選挙が農村調査に何の関係があるのかというと、選挙準備期間中は、official workでさえ制限されるのだという。
「安易に農家に接触することを厳しく禁じる」、という通達が届いた。

「調査目的以外の話はしません」というペーパーを調査表とともに州知事に提出しなければならなくなったのだった。
しかし州知事はバンコクへ出張中。この手続きにさらに2週間費やすことになる・・・。

ようやく降りた調査許可。
まず、私たちはOrongという村に滞在した。
インド国境から車で2時間のOrongは、すっかりブータンらしい風景、ガイドブックに出てくるような建築が待ち受けていた。初めてブータンに入国した時のような新鮮な気持ちになった。

ところが、このOrongでの3日間の調査は、入国管理官の耳に届くことになる。

「君たちがSpecial Permitを得ずにOrongに入ったことは知っている」

「壁に耳あり、障子に目あり」、とはよく言ったもので、ブータンでの行動はすべて筒抜けである。
Work permitとRoute permitは持っていたので何が悪いのかわからなかったが、ブータン南部の村には、外国人非開放区というのがたくさんあり、非開放区に入るにはSpecial permitを得なければならないとのことだった。
ブータン人ガイドでさえ、Orongが非開放区であることを知らなかったという。
丁重に謝罪し、次の調査地、Bantarに入る前にspecial permitを申請しなければならなかった。

このSpecial permit、ビザ免除されているインド人労働者でさえ翻弄させられている。SJIのネームバリューのおかげか、すんなり許可がおりた。
が、調査許可開始日「6月1日」。

来月までまた待ちぼうけである。
最初から知っていればペーパーワークの合間に申請できたのに。
なかなかうまくいかないものです・・


でも、ブータンでは珍しい草の根レベルのNGO活動の立ち上げに関わることは、本当にまたとない貴重なチャンスで、勉強になってます。


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「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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