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緑の革命から常緑の革命へ

Ever-Green Revolution(永続する緑の革命、常緑の革命)という言葉を耳にしたことがあるでしょうか。
提唱したのは、インドで緑の革命を導き、アジアのノーベル賞といわれるマグ・マサイ賞を授与されたSwaminathan氏。

1960年代、インドの緑の革命は食料の大幅な増産をもたらし、食料飢饉状態にあったインドは輸出国へと転じ、最も成功したといわれるパンジャーブ地方は"bread basket"と呼ばれている。
しかし、収量を大幅に増産した穀物は水や肥料を大量に要する。土地はやせ、収量は次第に落ちていった。
さらに、近代農業は高価な化学肥料と農薬に依存するため、インドの農民の半数は借金を抱えているという。
近年、農民の自殺が社会問題として取り上げられている。

インド有機農業の父、アルバートハワード氏は次のように述べている。
“Nothing effective has been done to replace the loss of fertility involved in this vast
increase in crop and animal production, and it brought two hungers to India; the stomach and the
machine”
(インドは空腹と機械の欠乏という2つの飢えにさらされている。)

こうした緑の革命の功罪を振り返り、第二の革命を導いたスワミナタン氏がスワミナタン財団を立ち上げたのは80歳になってからだという。
技術に頼らず、誰にでも小規模な投資で実践できる、先端と伝統を融合させた「エコ・テクノロジー」を氏は推奨している。
まさに、農業分野におけるルネサンスというべきエコテクノロジー。
今、祖先が築き上げてきた伝統技術が見直されている。ever-green 永続する緑のために-。


references:

Howard, S. A, (1943), An Agricultural Testament, Oxford, UK, Oxford University Press

Ministry of Agriculture, Government of India, (2010), Annual Report 2009-2010, Department of
Agriculture and Cooperation, [Online] http://agricoop.nic.in/AnnualRepor2009-10/AR.pdf

Ministry of Agriculture, Government of India, (2007), National Policy for Farmers 2007,
Department of Agriculture and Cooperation, [Online] http://agricoop.nic.in/NPF/npff2007.pdf

Swaminathan M.S., (1996), Sustainable agriculture : towards an evergreen revolution, Delhi,
Konark

Sud S., (2009), The changing profile of Indian agriculture, New Delhi, Business Standards Lt.

 

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「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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