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本当の豊かさとは何か

インド人の高校生の女の子と友達になった。
ディピからカンナダ語を習っている。


ディピからの質問に苦悶・・・。


D:お母さんは何をしているの?

みけ:ディピのお母さんと一緒でマンションの清掃をしてるよ。

D:お父さんは?

みけ:工場で働いてるよ。


D:みけはどうして働いていないのに、ショッピングするお金があるの?
 お母さんの給料はいくら?


ディピは、両親が同じような仕事をしているのに、なぜ私は留学したり、カメラを買ったりするお金があるのか不思議でしかたないようだ。


「私は日本で5年働いていたから貯金があるの」と答えたけれど、納得していない様子。
インドでは親の身分で子供の収入が決まってくるのだろう。
そしてインドでは、結婚後も自由になるお金のない娘に親が仕送りするのだそう。


高等教育を偏重するインドではエリートがお金持ちになる一方で、初等教育に対する政策が疎かにされ、農村に住む大半は文字すら読めない。
彼らにとって安定した職に就くのは並大抵のことではない。
オートリキシャの運転手、大工仕事、雇われ農家・・・日々の食べる分を稼ぐ毎日。街中に乞食があふれている。
借金を苦にした自殺が社会問題となっている。インドでは自殺でも保険金がおりるのだ。

 

日本では仕事さえ選ばなければとりあえず生きていける。
日本は幸せな国なのだろうか?


ある女性の活動グループを訪問したときのこと。
彼女たちは幸せだと感じたときのことを話してくれた。

「身寄りのない子供を援助して育て、彼女が結婚できた時は本当に幸せだった」
「近所の子が食べ物がなくて困っていたときに米を分けてあげた。今でも彼女は感謝してくれていて、時々食べ物を届けてくれる」
彼女たちも決して豊かな暮らしをしているわけではない。
貧しい村では、困ったときは助け合いの精神が根付いているのだ。


日本ではどうだろうか?
こんな助け合いが身近にあるだろうか?


「私は人生で一番幸せだった時という質問にうまく答えられない。日本では食べるものも着る物にも困らないけれど、助け合いの精神をなくしてしまった。
 先進国の日本でも自殺者は増えている。だから物があることが幸せだとは思わない。あなたたちの幸せな話がすごく印象に残っている。」

と感想を述べた。

「本当に日本は幸せじゃないのかしら。私たちの村の誰も海外に行ったことがないけど、
私たちは食べるものがあって、着る物があれば幸せ。いつか日本に行けるのは夢だけど。」

「確かに、たくさん物があれば助け合いがなくなり幸せでなくなるかもしれない。
でもそれは、必要以上のものを持っているからでしょう?最低限以上のものはいらないわ。
もし、それ以上に豊かになれば、他の貧しい国を援助したいわ。
そうすればまた幸せになれるんじゃないかしら?」


彼女たちには本当に諭された。

以前ブータン人のルームメートに言われたことを思い出した。
ブータンは国民総幸福Gross National Happiness(GNH)で世界1位とされている。
「日本人がお金持ちなのは、貯めこんで人に分け与えないからだろう?」と。
彼は、お金が手元にあると、全部人にあげてしまって貯金がないのだそうだ^^;


大学時代にやっていた開発学の世界に戻ってきたのは本当の幸せとは何かを探すためなのかもしれない。



 

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ヒンドゥーの巫女デーヴァダーシ

ヒンドゥー教の寺院に仕える巫女をデーヴァダーシ(Devaと呼ばれている。
州によって慣習は違うのだそうだが、ここ南インドでは、貧しい家の娘が巫女として寺にささげられるのだそうだ。そうしなければ神からの罰を受けるといわれている。

18歳になると、少女は神と結婚する。
裸になってターメリックのパウダーを全身にかけ、プージャ(お祈り)の対象としてあがめられる。
従来の伝統ではこうだった。

現在では結婚していない巫女が売春の対象として見られるようになり、お寺の寄付者がデーヴァダーシを娼婦として囲っている例が多々あるのだという。
これは伝統的慣習を利用した悪習である。
現在では、デーヴァダーシの摘発に対する見方が変わり、囲っている者が逮捕されるシステムに変わってきているのだとか。

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インド人博士の現実

博士号は日本ではとっても何にもならないということを例えて「足の裏の米粒」と呼ばれていますが、インドの場合、日本のように博士は「役に立たない存在」ではなく、尊重されてはいるものの、何しろphDをとる優秀な人は何万といるわけで・・・路頭に迷っているという点では日本と共通しているかもしれません。

今日は、研究所の職員候補者を選ぶ公開面接に参加してきました。
一般市民も参加OKの場で、これまでの研究成果をプレゼンするのです。

候補者はphDとりたての若い人から、かなり歳のいった人まで。
約40名の候補者から、最後に残るのは1名。
すごい気合の入りようです。

研究者になるって大変なんだ。
博士の現実を見ました。


ちなみに、公務員になるのも人口の多いインドでは大変で、だいたい100倍くらいなのだそうです。それで選考基準が不透明だと役所不信にもなりますね。

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インドの研究所

バンガロールにつきました。
インターン先のオフィスです。お庭もとてもきれいです。
 

現在働いているのはバンガロールにあるATREE(Ashoka Trust Research center in Ecology and Environmen)というリサーチ系財団。研究員80名、ドクター生20名がここで働いています。
ATREEバスで送迎つきです。

私が取り組んでいるEUが出資するプロジェクト「sustainability assessment of land use policy(土地利用政策の持続可能性評価」では、他にイギリスからきているインターン生、そしてアシスタントリサーチャーのインド人が一緒に働いています。

▼ATREE付近の広場
 


▼ランチは屋上の社員食堂。1食25ルピー。
 

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プロフィール

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「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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