アグロエコロジー
オランダの大学院で有機農業を勉強する留学生の日記
世界最大のオーガニック見本市Bio Fach 2010 in ニュルンベルク(3)
中国の有機農業事情
中国政府によるオーガニックマーケットについての発表がありました。
現在、中国でも有機食品の需要が増えています。
日本での有機認証は民間企業がおこなっているのに対し、中国の有機認証は政府関連機関が行っています(民間の認証団体もありますが)。
つまり、政府が認証を後押ししているのです。
2009年には、1000社を超える企業が有機認証を取得、4755の商品が認証されています。
目的は、国内市場への有機食品プロモーションもありますが、日本などの市場へのオーガニック食品輸出のためです。
中国のオーガニック商品は、国内だけでなく国際市場にとっても今後シェアを伸ばしていくと考えられます。
認証ロゴ
現在のところ、JASやBIOなどの外国の認証制度との互換性がなく、中国市場でオーガニック食品を販売したい場合は、別途中国の認証を受ける必要があるようだ。
都市部を中心にLOHASブームが盛んだという中国。
日本を超えるオーガニック市場ができるかもしれません。
全体の農産物に占めるオーガニックの割合はまだまだ低いものの、
面積でいえば、中国は世界第5位の有機農産物生産国なのだ。
中国のオーガニック制度は始まったばかり。
制度では日本がリードしているが、運用面では世界から遅れをとっている。
オーガニック界の第2の黒船は、中国かもしれない。
中国政府によるオーガニックマーケットについての発表がありました。
現在、中国でも有機食品の需要が増えています。
日本での有機認証は民間企業がおこなっているのに対し、中国の有機認証は政府関連機関が行っています(民間の認証団体もありますが)。
つまり、政府が認証を後押ししているのです。
2009年には、1000社を超える企業が有機認証を取得、4755の商品が認証されています。
目的は、国内市場への有機食品プロモーションもありますが、日本などの市場へのオーガニック食品輸出のためです。
中国のオーガニック商品は、国内だけでなく国際市場にとっても今後シェアを伸ばしていくと考えられます。
認証ロゴ
- 国家認証ロゴ 2つ
- 有機認証団体 2つ
- 外国の認証団体 4つ
- ベーシックレベル:環境に優しい食品
- グリーンフードラベル:減農栽培
- オーガニック
現在のところ、JASやBIOなどの外国の認証制度との互換性がなく、中国市場でオーガニック食品を販売したい場合は、別途中国の認証を受ける必要があるようだ。
都市部を中心にLOHASブームが盛んだという中国。
日本を超えるオーガニック市場ができるかもしれません。
全体の農産物に占めるオーガニックの割合はまだまだ低いものの、
面積でいえば、中国は世界第5位の有機農産物生産国なのだ。
中国のオーガニック制度は始まったばかり。
制度では日本がリードしているが、運用面では世界から遅れをとっている。
オーガニック界の第2の黒船は、中国かもしれない。
PR
この記事にコメントする
無題
いつも勉強させてもらっています。
ここにコメントを書くのは、初めてなので
「はじめまして」が適当かな?
さてさて
15年前の話ですが、
中国の有機認証は、見学に行きました。
その頃は、まだ政府の有機認証制度が始まったばかりで、政府と資材屋とが共同経営する大規模の有機農場に案内されたのを覚えています。
輸出向けというよりも、沿岸部の消費の高まりに合わせて、大規模に、しかもモノカルチャー的に精算されており、西部の出稼ぎ貧民を大量に投入して、人海戦術で除草や虫取りをしていたのを見ました。
圧倒されたのを覚えています。
政府の強いリーダーシップの元
国内の貧富の差を利用した
人海戦術によるモノカルチャー的な大規模農園で
僕はあまり賛成できなかったのを覚えています。
現在は違うのかもしれませんが
インドネシアでも同様な外国資本によって運営されている大規模有機農園を見学したことがあります。
ほうれん草だけを栽培する農園でした。
そういうのも「有機農業」といえるのかどうか、僕には解りません。認証が取れていれば、良いんだ、という風潮なんでしょうか。
みけさんの大学ではどういう議論をされているのか、また教えてください。
ここにコメントを書くのは、初めてなので
「はじめまして」が適当かな?
さてさて
15年前の話ですが、
中国の有機認証は、見学に行きました。
その頃は、まだ政府の有機認証制度が始まったばかりで、政府と資材屋とが共同経営する大規模の有機農場に案内されたのを覚えています。
輸出向けというよりも、沿岸部の消費の高まりに合わせて、大規模に、しかもモノカルチャー的に精算されており、西部の出稼ぎ貧民を大量に投入して、人海戦術で除草や虫取りをしていたのを見ました。
圧倒されたのを覚えています。
政府の強いリーダーシップの元
国内の貧富の差を利用した
人海戦術によるモノカルチャー的な大規模農園で
僕はあまり賛成できなかったのを覚えています。
現在は違うのかもしれませんが
インドネシアでも同様な外国資本によって運営されている大規模有機農園を見学したことがあります。
ほうれん草だけを栽培する農園でした。
そういうのも「有機農業」といえるのかどうか、僕には解りません。認証が取れていれば、良いんだ、という風潮なんでしょうか。
みけさんの大学ではどういう議論をされているのか、また教えてください。
- たーやん
- 2010/03/03(Wed)06:43:39
- 編集
有機農業
>たーやんさん
中国にも行かれてたのですね。
現場の情報参考になります。
おっしゃるとおり、こちらでも、オーガニック(またはフェアトレード)の「コンベンショナル化」について議論されています。
オーガニックがビジネスとして拡大していく一方で、慣行農法であっても農薬の使用基準が厳しくなり「環境に優しい農法」が主流になれば、もはやオーガニックとコンベンショナルの違いはなくなっていくという主張もあります。
一律の基準にあてはめる有機認証や、フェアトレードラベルは、開発学でいうところの文化的覇権のようなものではないかと思います。
ICSやPGSのように、コミュニティで独自の認証制度を運用できるような仕組みが日本でもできるといいですね。
コメントありがとうございました。
中国にも行かれてたのですね。
現場の情報参考になります。
おっしゃるとおり、こちらでも、オーガニック(またはフェアトレード)の「コンベンショナル化」について議論されています。
オーガニックがビジネスとして拡大していく一方で、慣行農法であっても農薬の使用基準が厳しくなり「環境に優しい農法」が主流になれば、もはやオーガニックとコンベンショナルの違いはなくなっていくという主張もあります。
一律の基準にあてはめる有機認証や、フェアトレードラベルは、開発学でいうところの文化的覇権のようなものではないかと思います。
ICSやPGSのように、コミュニティで独自の認証制度を運用できるような仕組みが日本でもできるといいですね。
コメントありがとうございました。
- みけ
- 2010/03/06(Sat)07:16:28
- 編集
この記事へのトラックバック
- この記事にトラックバックする
プロフィール
ブログ移動しました
「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/
たねのもりびと
ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture
ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事
■ご挨拶
ご挨拶
■連絡先
メールフォーム
当サイトはリンクフリーです。
「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/
たねのもりびと
ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture
ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事
■ご挨拶
ご挨拶
■連絡先
メールフォーム
当サイトはリンクフリーです。