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フードデザートとグリーンベルト

食の砂漠とは?

「フードデザート(食の砂漠)」という言葉を聞いた事がありますか?
それは、サハラ砂漠でもなく、タクラマカン砂漠でも、ゴビ砂漠でもなく、先進国の中にある砂漠なのです。

スーパーの撤退、マクドナルドなどのチェーン店の増加、ワーキングプア現象。
移動が不自由なお年寄りや、都市の中にいて金銭的余裕がなく、十分な食料を確保できず、栄養失調に陥る現象が、先進国に共通して見られています。

食へのアクセスの距離(物理的距離・経済的距離・精神的距離)の広がり、その空白地帯を「砂漠」と表現されているのです。

food.JPG

▲フードデザートマップ(Apparicio P et al. 2007)



イギリスの調査によると、フードデザート地域では、癌の罹患率が高かったり、健康被害が見られるようです。


十分な食にアクセスできない人がいる一方で、食品の50%が輸送によるロスに消えるといいます。

居住している地域での食の生産、身近な範囲での食の流通がロスを最小限に抑え、食への距離を縮める-それが都市農業のコンセプト。



都市農業

貧困者の半数以上が都市に居住する一方、面積2%の都市が、75%の資源を消費しているといわれています。

ブルントランドレポート(1978年)では、都市農業について次のように述べられています。

「都市農業は、都市計画の柱である。貧者へ食料を提供し、緑地を増やし、有機性廃棄物のリサイクルを促す。」

国連も都市農業の必要性を認め、都市農業の実態調査、NGOと連携した自給促進、都市農業ネットワークの促進などに取り組んでいます。


途上国:
途上国では、都市農業はフードセキュリティの一環として語られることが多く、食糧生産の維持、雇用創出を目的として行われることが多い。

例)
・タンザニア、ダルエスサラーム:農産物の50-90%が都市で生産

先進国:
収量よりも「ふれあい」。レジャー、景観、福祉に重きを置いている。

例)コミュニティーガーデン、CSA、提携、ファーマーズマーケット


食への距離の増大と、食をめぐる不安、農業ブーム、これは日本だけでなく先進国に共通した流れだといえます。



グリーンベルト

宅地開発の流れを食い止め、森林や農業地帯を守るために開発を禁止した区域。
ロンドンの都市計画委員会で1935年に提案され、ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、オーストラリアと、多くの国で導入されています。


植林地帯をグリーンベルトと呼ぶこともあるようですが、都市砂漠にもオアシスが必要かもしれません。


references:
FAO urban and peri-urban agriculture
UNDP Urban Agriculture: Food, Jobs and Sustainable Cities
Apparicio P et al. 2007. The case of Montréal's missing food deserts: evaluation of accessibility to food supermarkets.


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「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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