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参加型流域管理システム

土壌浸食は農家にとって大きな問題である。Soil erosion is Soul erosionと言われ、土壌浸食は肥料の過剰投入や過放牧などにより、意識されないままに進んでいく。特に、上流域の肥沃な表土の流出が持続可能な農業生産の障害となっている。

統合的流域管理とは、土壌や水の管理だけでなく土壌浸食の原因となる家畜の放牧、作物体系、植生、生活スタイルなど多様な観点からマネージメントを行うことである。

インドの現地NGO、MYRADAが取り組む南インドのWatershed Management Projectを見学させてもらいました。


Watershed Development Associations(WDA)

100-150haにわたる小規模貯水地(Micro Catchmentにおいて土地を保有するすべての農家が参加し、プランニング、予算管理、プランの実行、モニタリングを共同で行うグループ」と定義されている(Meenakshi and Aloysius, 2004)。
WDAのメンバーは自然資源管理と組織開発とプロジェクト管理についてのトレーニングを受け、貯水池の資源管理に関する責任を共有する。

MYRADAが出資したのはチェックダムと堀のみで、石垣の形成や給水ポンプは各農家が投資している。

「投資することを恐れることはなかった。土地の登記も取得でき、成功する自信があった。」と農家さんははっきり答える。
15年前は自家消費目的でRagiを作っていたが今は唐辛子、生姜、トマト、桑などの換金作物を生産しており農家として自立している。与えられたお金ではなく、自分で投資したからこそ起業者精神が生まれるのだという。

また、土地を保有しない貧困層には、養蚕やエミューの育成など新たな収入源を確保する取り組みを推進している。特にエミューは月1個、3年で約40~50の卵を産み、1個あたり1500ルピーで取引されており、大きな収入源となっている。

 

「バンガロールで働いていたころは、日々食べるのに精一杯だった。皮肉なことにこの村で作られた米を買っていた。今では休みたい時に休め、家族と一緒に仕事ができて幸せだ。それほど良い土地ではないけれど、この土地しかないのでここでやっていきたい。」
と、上流域で水田を始めたある農家さんは語る。

彼は農業を開始するにあたり、電線やパイプの設置に3万ルピーを投資した。農家自身がリスクを負うことが持続可能な流域管理の成功要素である。
牛乳の生産で月3,000ルピー、糞尿を肥料として売ることで年2,400ルピーの収入が入り、返済の目処が立っているという。

 

■お勧め参考文献
People's Institutions Managing Natural Resources in the Context of a Watershed Strategy (2003)
A Manual for Capacity Building of People's Institutions Managing Watersheds (2004)

Resource Management in Rainfed Drylands An Information Kit (1997)

■問い合わせMYRADA
ウェブサイト
http://www.myrada.org/


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「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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