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参加型有機認証制度

小規模の有機農家にとって負担になるのが有機認証にかかるコスト。
日本では有機JASだけでいいですが、ヨーロッパでは販売先にあわせて複数の認証を取得する場合もあり、1年に何度も検査を受けることになります。

オランダの場合、「Skal」の「EKO」マークを取得するには年間700ユーロの検査費用がかかります。
日本は検査機関によって異なりますが、約10万~15万。オランダと同じくらいですね。

オランダでは5年前から小規模農家には検査費用の減額措置がとられており、スペインやアメリカの一部の州では政府が検査費用を負担しているところもあります。


IFOAMでは、国の認証制度に代わる、グループ認証制度の適用を進めています。
  • Internal Control System (ICS) 内部コントロールシステム:
小規模農家のグループ内で内部検査を行い、品質を保証するというもの。定期的な第三者認証も必要ですが、グループで行うのでコスト削減が図れるとともに、有機農家同士の連携が高まる効果もある。
  • Participatory Guarantee System(PGS) 参加型保証制度
地域の生産者、消費者、小売業者など多くのステークホルダーが参加することによって透明性を高め、連携を図るというもの。
ICSと異なる点は、有機農業の認証規定に基づく第三者認証を行うのではなく、地域のみんなで確認しあうことでお互いの信頼関係を築いているところです。(アメリカやEUでは第三者認証も取り入れています。)



参考:アイフォームHP
http://www.ifoam.org/


実施されているのは、主に認証費用が払えない途上国の農家グループですが、アメリカやニュージーランドなど、先進国でも実施例があるようです。
(ただし、第三者認証を行わない限り、「オーガニック」と表示できない)

日本の「提携」も一種の参加型保証制度に入るのではないでしょうか。


これらの制度と有機認証制度との同等性、整合性を図り、「オーガニック」という言葉の使用を柔軟に認めること、そして、人材育成を含め内部検査を行える体制を整えることで、途上国だけでなく先進国においても小規模農家の有機認証取得を促すことが必要なのではないかと思います。

国家有機認証制度ができる前に行われていた、消費者と生産者の「提携」運動の原点に戻って考え直す時なのではないでしょうか。

(※「提携」は英語でもTEIKEIと訳されており、地域で農業を支える「CSA community supported agriculture」に影響を与えたといわれています。)



スウェーデンの団体がとてもいいレポートを提供しています。
The Swedish Society for Nature Conservation (SSNC)
http://www.naturskyddsforeningen.se/upload/PGS%20Study.pdf

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「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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