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非開放区Bantarへの旅立ち

Bartarへの出発はドタバタだった。
SJIコーディネーターのチェク君が、村長への調査報告、農業普及員への調査対象候補者の選定依頼、バスのチケット手配に奔走している間、この間インタビューした記録をまとめ、Soil Sampleをティンプーに送り、アンケート用紙の改良を行っていた。

「明日、Bantarに行く用事ができたのだけど、一緒にいく?」
突如、農業普及員の友人、テンジンから連絡を受ける。
バスのチケットの入手が難しいBantar。願ってもないことだった。
明日の出発に間に合わせよう。
ブータン来たばかりのエミリーと共にドタバタの準備。
4時にクロースする銀行に滑り込み、換金。

明後日、朝。

「Bantarに行くなんて聞いてない」

突如ボスからの呼び出し。
ボスはすっかりお怒りだった。

アンケート用紙は村長に送ってあるのか?
行程表を提出してあるのか?
ブータン社会では「バイパス」が重要だと何度も言ってるだろう?

7時出発の予定が、10時になってしまった。
普及員の友人を長らく待たせることになり悪いことをしてしまったけれど、無事出発。


ブータンに来たばかりのエミリーにとってすべてが珍しく、写真をとりまくっていた。
その側で私は、2か月過ごしたDewathangをしばらく離れることになるのだと思うと、みんなの顔が思い出され感傷的になってしまった。
さようならDewathang、町のみんな。また逢う日まで・・・。




一行は山道を下り、谷へ向かう。
Bantarはブータンでは珍しい平地の稲作地帯。山の上からの眺めは別世界であった。
田園風景が眼下に広がり、Dewathangの主力産物である蜜柑畑から熱帯らしいドマやマンゴー畑へと変わった。
いよいよ非開放区、Bantarに来たんだな、と初めてブータンに入った時のような感慨を覚える。

ここからブータン人、カナダ人、日本人の国際チームによる2週間に及ぶ新たな旅が始まる。

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「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/

たねのもりびと

ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture

ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事

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