アグロエコロジー
インドはゴミ国家
どこにでも唾を吐く中国人に言われたくないだろうと思ったが、中国の比にならないマナーの悪さに驚いた。
インドの電車に乗っていると、たくさんの物売りがくる。チャイ、弁当、おもちゃ、日用品。列車に積み込まれる荷物の残骸は、窓から出て行くのだ。
チャイを飲み終わったらプラスチックカップを窓から投げ、弁当の入ったアルミも窓から投げる。果ては、ダンボール1箱分の弁当を注文し、ダンボールごと窓から投げ捨てる。
列車にはゴミ箱がなければ、中国のようにゴミを回収しにまわる係員もいない。
誰もゴミを気にせず、当たり前のように窓から投げ捨てる。まるでインド全土がゴミ箱であるかのように。
中国人の言った「ゴミ国家」というのはあながち大げさな表現でもあるまいと納得したのだった。
インド人とチベット人の国民性
チベット人が多いこの地域はなんだかすごくほっとする。
インド人は、平気で嘘をつき、いらちですぐにクラクションを鳴らし、押し付けがましいことを言う。
チベット人は、遠慮深く、物腰が低い。日本人の国民性に似ている気がする。
チベット僧たちは、ヒンドゥー僧のように旅人からお布施を要求することがないばかりか、日本のために義援金を集めてくれているではないか!
この違いは何なのだろう?仏教は高尚で、ヒンドゥーが悪いのか?
インドの教育がなってないのだろうか?
あるインド人は言った。
「チベット人は、インドにいるから腰が低いだけだ。自分の国にいたら、チベット人もインド人のように大きな態度をとるに違いない。」
そんなことはない、と思うのは私だけだろうか・・・?
そのインド人はこうも言った。
「日本人は世界で一番正直で慎み深いと信じている。」と。
やはり仏教思想の影響かもしれない。
チベット人は言った。
「仏教には、聖書のようなマニュアル本はないけど、普段の暮らしの中で親から子にその精神は受け継がれる。」
だれか、インド人を教育してやってくれ。
インドのユースホステル
ブータン人の研修生がこちらに泊まると聞いたので、ユースで合流することにしたのだけど、ここのユース変な場所にあるだけでなく、サービスも悪い!
夜行で朝早くついたら、レセプションに人がいるにもかかわらず、何もしてくれない。
チェックインの11時まで待て、という。
部屋に入れないのはわかるけど、荷物も預かれない、ロッカーもない。
3時間待ってやっとチェックインすると、8人部屋の鍵が1こしかない。
しかもドミトリーなのに、普通の安宿より高い。←そこだけ国際基準。
デリーには安宿がたくさんあるのに、こんな離れたところのサービスの悪いユースに来る人はどういう人なんだろうか?
プログラムでここを指定され、仕方なく・・・という人がほとんどなのかもしれない。
けど、wi-fiが無料で使えるのはかなり◎
安宿でこのサービスはあまりないかも。
チベット料理教室
1回250ルピー。毎日2回開催。
全部で3メニューあり、全部参加すれば認定しょうが発行されます。
私が参加したのはチベットパンの日。
全粒粉を使ったパン、小麦のパン、蒸しパン、クッキーとレシピは4種類。
軽量カップや秤は使わない。
印象に残った先生の一言。
「wheat is changing.」
小麦粉は、その時々の湿度や温度などによって絶えず変わる。
だから、量で覚えるのではなく、手で覚えるのがコツなのだ。
はっと、させられた。
機械に頼るのではなく、感覚に頼る。
これは、有機農業を学ぶ上で大切な精神じゃないか。
自分が忘れかけていたことを思い出したような気がした。
ガンジス川の清流
上流へさかのぼると薄緑色の澄んだガンジス川に出合う。
ハリドワールの沐浴場はインド人たちの間で人気のスポット。
外国人はほとんどいない穴場だ。
さらにさかのぼり、リシケシュへ。
こちらはバックパッカーに人気のスポットで、ツーリストであふれかえっている。
ヨガを習う長期滞在者も多い。リシケシュではアシュラムといわれる宿坊に50ルピーで住み込みヨガの修行ができる。
これがインドだ!
「これがインドだ」
よくインド人が口にする言葉だ。何度聞いたことか。
この言葉は、これがインドだから、あきらめなさい、と暗に諭している。
いわば、イスラム世界における「インシャラー」のような言葉だ。
公式の会議でさえ、予定が遅れ、たとえ昼食が3時になったとしても誰も文句いわないのだ。
夜中まで爆竹やらドラムを鳴らして騒いでいるグループがあっても、警察はこない。
これはインドだから仕方がないのだ。
カルチャーショック
I thought I was dead...
初めてインドに来たというカナダ人は、インドに着いた日のことを興奮気味に語っていた。
面白おかしく聞いていたが、私自身はカルチャーショックはほとんどなかった。
むしろ、もっとすごい混沌とした暗黒世界を想像していたので逆に拍子抜けした。
「これがインドなのか。なんだ、意外と普通じゃん。」
これが、ついた日の感想。
電車は2時間は遅れてくるのが普通だと思っていた。
そのへんの道にいっぱい人が死んでるのかと思ってた。
でも、そんなことはなかった。
これを言うと、インド人に笑われた。
まぁ、トイレを尋ねて町中の用水路を案内されたときはびっくりだったけど(丸見えw)。
「これがインドだ」
は、特にインドに限らず途上国全般に言えることなのではないだろうか?
多少の不都合は、途上国だから仕方ないと割り切るしかない。
カルチャーショックがないのは、南インドにいるせいかもしれない。
「二度とインドなんか来るか」的な濃いインドを経験したい人には北インドをおすすめする。
インド人のホスピタリティはすごい!
ホスピタリティといえばタイとかインドネシアのイメージだったが、正直インド人にそれは期待していなかった。
インドに来る前、インド人のクラスメートからもらったアドバイス。
Don't believe Indian, don't be polite to Indian.(インド人を信じるべからず、インド人に礼儀はいらない。)
インド人の彼でさえ、隣の州にいけば言葉も身なりも違うヨソもの。
「インド人のぼくでさえ詐欺師が近づいてくる、隙があればだまされる。だから外国人はさらに注意すべきだ。」
と、言っていた。
しかし実際来てみると、たくさんのインド人たちから思いがけず歓待を受けた。
インドではお客様は神様だという。
食事、観光、お土産までおもてなしをしてもらい、お金を使うことがなかった。
ストライキで突然迷い込んだ森の村でも、これでもかとばかりのホスピタリティだった。
インド人の友達のお母さんは、買い物のついでに私の分まで服を買ってきてくれる。
森に住んでる一家も、ビルの清掃しているお母さんも、決して豊かなわけでないのに。
バックパッカーしてた時は、こういうことがあまりなかったから親切にされるとつい警戒してしまう。
そして、なんだかかえってすごく悪いことした気分になるのだった。
外国を旅するときは慎重になるにこしたことはないが、心を開いてつきあってみないと本当のところはわからないかもしれない。
これは、現地語を学び、ホームステイをしながらじっくりインド人付き合うのと、バックパッカーで放浪することの差だと思う。
バックパッカーがよくないというつもりはないが、最近は旅にあまり興味がなくなってしまった。
タージマハルとか正直どうでもいい。
世界遺産やらバラナシに行くよりも、何もない村がすきなのだ。素顔のインド人が好きなのだ。
来月にはオランダに戻らないといけないけど、インドにはまた来る気がする。
インド人の離婚
バンガロールの離婚件数は年々増え続けている。
2003年の離婚訴訟は300件。2004年には1200件となり、2008年は4,000件と4年で約3倍になっている。
頭を抱えるのは法廷。
これまであまり離婚事例がなかったインド。
法廷が扱える件数は1日30件。
約1万件の訴えが係争中であると推定されている。
離婚が成立するまでに4,5年の年月がかかるのだという。
離婚をめぐる殺人事件も起きている。
先月、妻の殺人容疑で男が逮捕された。
夫が離婚を切り出したところ、妻がダウリ・ハラスメントで訴えてやると脅したためだという。
結婚式に一生分の財産をつぎこむというインド人。
離婚にはさらに大きな英断が必要かもしれない。
インド人の結婚
ケララ人によると、半数がお見合い、恋愛結婚は半分くらいじゃないかとのこと。
恋愛は周囲に隠れてするものだ。
そして、恋愛結婚であっても正式には仲介人を立て、お見合い結婚の形をとることも多い。
特に田舎ではこの傾向に強い。
お見合いで大事なのはカーストが同じであること。
同じ村に候補者がいないときは仲介人を通す。仲介人は相手のカーストを知っているのだ。
それでもだめなら、新聞に広告をだす。
インド人は、訃報を知らせるときにも顔写真付で新聞に載せるほどなのでプライバシー観念はない。
最近はオンライン(いわゆる出会い系サイト)でお見合いすることも増えているそうだ。
ここで、日本にも面白い事例があることを紹介しておいた。
自治体が主催するお見合いパーティー。畑で婚カツ。これはインド人に大うけだった。
「日本政府は結婚を推進したいのだろうけど、インドでは逆に減らしたいでしょうよ。
女性は特にお金かかるから政府が援助してくれるとありがたいのだけど・・・」
まず、仲介人から紹介されたら両者が会う。ここで気に入らないなら断ってOK。
同意すればengagement。この後に断ることはできない。
伝統的な慣習の残る村では、婚約には占い師の診断が必要とされている。
いくら2人の気があっても、占い師がよくないと判断すればご破談になるのだ。
カーストと相性占い、両親の好み、すべてマッチして初めて結婚となる。
日本の婚カツよりも難しそうだ。
結婚式は人生最大のイベントであり、約1000人招待することは普通。
村挙げてのお祭だ。
日本のように来訪者が祝い金を持参することはなく、千名分の食事などにかかる費用はすべて花嫁もちだ。
「お父さん、外国人でもいいからうちの娘連れて行ってくれないかって言うのよ。」
と、インド人の同僚が言っていた。
娘の多い家庭はダウリ(持参金)に悩まされるのだった。
インドの衣装
プロフィール
「アグロエコロジー」続編:
http://agro-ecology.blogspot.jp/
たねのもりびと
ワーゲニンゲン大学大学院
有機農業研究科修了
(アグロエコロジー専攻)
Wageningen University
MSc of Organic Agriculture
ブータン政府GNH委員会インターン
国を100%オーガニックにする国家プロジェクトに従事
■ご挨拶
ご挨拶
■連絡先
メールフォーム
当サイトはリンクフリーです。